日刊 福田智洋

上場企業の企画部長が、日刊といいつつ、不定期につれづれなる内容を書くブログ。

OSはまだプラットフォームなのか。

 

要を伝えると「すでにOSはプラットフォームではなく、嗜好で選択可能なプロダクトになっている」という話です。

 

えば、特定メーカーの車しか走れない道路と、いろいろな車が走れる道路があったとします。このような二つの道路がシェア争いをした場合、当たり前ですが、後者のほうがシェアが高くなります。

どんなにその道路が走りやすかろうが、他の車は走れないのですから、当然人気が無くなっていきます。当たり前の話です。

これはプラットフォームやプロコトルの争いです。

 

に、どんな車も通行できる道路があったとします。(今の状況がそうですね。)その際に、その道路を走る車は、仕様が公開されている車(大衆車でも構いません)と、デザイナーがこだわったイタリア車、その両方があったとして、どちらか一方が淘汰されるでしょうか。

きっと価格が安くなった大衆車がたくさん売れるのですが、だからといってイタリア車が困るということはありません。道路を普通に走れますしね。羨望の眼差しを貰えるかもしれません。

 これは、プラットフォームやプロコトル上のプロダクトの話です。

 

『アンドロイドがオープンだから勝ち、iOSはクローズドだからきっと負ける』という文脈をみると、違和感を感じます。

もちろんそれは、過去の「Windows VS Macintosh」の結果をみての発言なのですが、Windowsの勝利の本質は、「オープン」だから勝ったわけではありません。シェアを重視し、ビジネスの共通プロトコルたり得たので、勝ったのです。

 

 

 

 

方、現在のスマートフォンに目を向けてみます。アンドロイドもiOSもメインで利用されるのは、メールやWEB、あとはゲーム等ですが、これらは基本的にインターネットベースのサービスです。だから、基本的にOSからでも同じようなサービスが基本利用できるんです。

ってしまえば、インターネットの出現により、OSは既に「プラットフォーム」レイヤーから趣味嗜好で選択が可能な「プロダクト」のレイヤーになっています。

述の、大衆車とイタリア車の比較じゃないですが、両方が普通に道路を走れる以上、どちらのOSを選ぶのかは嗜好以外の何者でもありません。iOSだろうが、アンドロイドだろうが、シェアの如何はわかりませんが、ユーザーの好みでいろいろ使われていくはずです。同一プラットフォーム上にのっているプロダクトであれば、iOSだろうがアンドロイドだろうが、どちらかが一方的に淘汰されるということは無いんです。

 

の意味で、iOSはアンドロイドに駆逐されるといった文脈は、OSが既にプラットフォームの役割から、単なるプロダクトのレイヤーになったことを理解していない発言に他ならないかなと思います。

 


改めて、もうOSはプラットフォームではなく、単なるプロダクトに過ぎなくなっているということでした!

 

MacOSの復活も、「Windowsからインターネット」へプラットフォームの変換が行なわれたために他なりません。インターネットの普及により、Windowsじゃないとできないことが少なくなった、WindowsとMacの違いも少なくなったんです。

本質的には「OS Xがスゴイ」とかそういう話ではなく、OSが単なる嗜好で選択できるプロダクトになったから、改めて価値が発揮できるようになったということなんだと思うのでした。